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平成19年10月号 インデックス

募集・採用時の年齢制限廃止が義務化される
〜改正雇用対策法(1) H19/10/1施行
外国人雇用状況の届出が義務化
〜改正雇用対策法(2) H19/10/1施行
よくわかる労働法講座
  第10回 「労働者派遣法の基礎」(3)
もし貴社で労使紛争が起こったら・・・
◆判例からみる勝つための要件とは◆第10回 「傷病休職者の復職」
非違行為に対する懲戒処分の実態は?
  〜懲戒制度に関する実態調査結果が発表される
「松山市人材育成事業補助金」のご案内
〜松山市に事業所がある中小企業者向け
編集後記

募集・採用時の年齢制限廃止が義務化される
〜改正雇用対策法@ H19/10/1施行


平成19年6月8日、改正雇用対策法が交付され、募集・採用時における年齢制限の禁止が「努力義務」から「義務」に改正された。
従来は、年齢制限を禁止していたとしても、努力義務に過ぎなかったことから、実際には、年齢制限を行う求人が相当数あり、高齢者や年長フリーター等の応募の機会を閉ざしている、とみられていた。このため、労働者の一人ひとりに、より均等な機会が与えられるよう雇用対策法が改正された。
これにより、企業は労働者の募集及び採用に際しては、原則として年齢を不問としなければならなくなると同時に、職務の内容、職務を遂行するために必要とされる労働者の適正、能力、経験、技能の程度等をできる限り明示することが必要とされた。

本年10月1日からの施行となっており、企業としては早急な対応が求められるが、8月3日付け省令にて、例外的に年齢制限が認められる具体的なケースが告示されている。改正前よりも、厳格化されているが、企業としては知っておく必要がある。
以下に、例外事由とその具体例をご案内します。
なお、詳しくは以下URLをご参照ください

【例外的に年齢制限を行うことが認められる事由】〜「 」は記載例
例外事由 主な具体例
@ 定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 ○期間の定めのない労働契約を締結する場合は可
・「60歳未満の方を募集(定年が60歳)」
×有期労働契約の場合は不可
・「60歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)」
×上限年齢と定年年齢が一致しない場合は不可
・「60歳未満の方を募集(定年が63歳)」
A 労働基準法等の法令の規定により年齢制限が設けられている場合 ○労働基準法等の法令において、特定の年齢層の就業が禁止・制限されている業務は可
・「18歳以上の方を募集(労基法第62条の危険有害業務)」
B 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 ○長期勤続によるキャリア形成の観点から、新規学卒者等をはじめとした若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集する場合は可。ただし、対象者の職業経験を不問とすること、及び新規学卒者以外の者については、新規学卒者と同等の処遇であることという2つの要件を満たす必要あり。
・「35歳未満の方を募集(職務経験不問)」
・「40歳未満の方を募集(簿記2級以上)」
  *必要な免許資格を定めていても、実務経験を有する資格でなければ認められる。
×職務経験を付している場合は不可
 「40歳未満の方を募集(○○業務の経験のある方)」
C 技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合 ○技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種の特定の年齢層において労働者数が相当程度少ない場合には、この特定の年齢層に限定して募集・採用することが認められる。ただし、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合に限る。
  *特定の職種・・・厚生労働省の職業分類の小分類もしくは細分類、総務省の職業分類の小分類を参考に具体的な職種の名称を用いること
  *特定の年齢層・・・30歳〜49歳のうちの特定の5〜10歳幅の年齢層
  *相当程度少ない・・・同じ年齢幅の上下の年齢層と比較して労働者数が2分の1以下である場合が該当
・「○○社の電気通信技術者として30〜39際の方を募集(○○社の電気通信技術者は、20〜29歳が10人、30〜39歳が2人、40〜49歳が8人)」
×30〜49歳の範囲に収まっていない場合は不可
 ・「○○社の電気通信技術者として25〜34歳の方を募集」
×年齢幅が「5〜10歳」を超えている場合は不可
 ・「○○社の電気通信技術者として35〜49歳の方を募集」
D 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合 ○「演劇の子役のため、○歳以下の方を募集」
×「イベントコンパニオンとして、30歳以下の方を募集」〜特定の年齢層を対象とした商品・サービスの販売・提供を目的としており、芸術・芸能の分野にあたらないから
E 60歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る。)の対象となる者に限定して募集・採用する場合 ○60歳以上の高年齢者に限定して募集・採用する場合は可 「60歳以上の方を募集」
×ただし、「60歳以上70歳未満の方を募集」のように上限年齢を入れた場合は不可
○特定の年齢層の雇用を促進する国の施策(雇入れ助成金等)を活用するため、その施策の対象となる特定の年齢層に限定して募集・採用する場合
 ・(中高年齢者トライアル雇用の対象として)「45歳以上65歳未満の方を募集」
 ・(若年者トアライアル雇用の対象として)「35歳未満の方を募集」
×ただし、(中高年齢者トライアル雇用の対象として)「45歳以上60歳未満の方を募集」のように国の施策の対象となる年齢層よりも限定すると不可



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外国人雇用状況の届出が義務化
〜改正雇用対策法A H19/10/1施行


本年10月1日から、すべての事業主に対し、外国人労働者(特別永住者を除く。)の雇入れ・離職の際、その外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等を届け出ることが義務づけられた。
なお、10月1日現在、既に雇用している外国人労働者についても、届出をしなければならない。
届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合には、30万円以下の罰金を科せられることがあるため事業所としては注意が必要。

届出のパターンとしては以下の3通りの区分に従って行うことになる。
【雇用保険の被保険者である外国人】
資格取得 → 「雇用保険被保険者資格取得届」の備考欄に、在留資格、在留期限、国籍等を記載して届け出ることができる。
資格喪失 → 「雇用保険非保険者資格喪失届」備考欄に、在留資格、在留期限、国籍等を記載して届け出ることができる。
【雇用保険の被保険者でない外国人】
専用の届出様式(第3号様式)に、氏名、在留資格、在留期限、生年月日、性別、国籍等を記載して届け出る。
雇入れ、離職の場合とも翌月末日までに届け出ることが必要。
(10月1日雇入れ→11月30日までに届出)
【平成19年10月1日時点で現に雇入れている外国人】
専用の届出様式(第3号様式)に、氏名、在留資格、在留期限、生年月日、性別、国籍等を記載して届け出る。
届出期限は平成20年10月1日だが、これらの外国人が離職する場合は、上記に従い届け出る必要がある。


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よくわかる労働法講座
  第10回 「労働者派遣法の基礎」(3)


派遣法の基礎Bは、派遣先に課せられた派遣労働者への雇用契約の申込義務、派遣労働者の雇用の努力義務です。
そもそも、企業が働かせる労働者はその企業の労働者であるべきである、という考え方、言い換えると、企業は、労働者を直接雇用(直用)すべきである、という考え方が労働法の基本コンセプトとなっており(「直用重視」)、労働者派遣のような他社の従業員を活用する(間接雇用)は例外的にのみ認められるとされてきました。
この考え方が底流にあるために、派遣労働者を受け入れる側の常用労働者の雇用を派遣労働者が奪うことのないよう(「常用代替」)規制するとともに、派遣労働者が身分の不安定な労働者のままでいることがないよう、言い換えると、直接雇用されるような配慮をしています。

T.派遣労働者への雇用契約の申込義務
(1) 派遣受入期間の制限がある業務の場合

派遣受入期間の制限に抵触する日(原則1年、労働者の過半数代表者の意見を聴取したうえで定めた場合は最長3年)以降も、派遣労働者を使用しようとする場合 → 抵触する日の前日までに、派遣先に雇用されることを希望する派遣労働者に対し、雇用契約の申込をしなければならない。

(注)派遣労働者が、自社に(派遣先に)雇用されることを希望しているかどうかの確認は、派遣先が行わなければならない。

(2) 派遣期間の制限がない業務(コンピュータのシステム設計等の26業務等)の場合

同一の業務に同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その業務に新たに労働者を雇入れようとするとき → 派遣先は、その派遣労働者に対して雇用契約の申込をしなければならない。 


U.派遣労働者の雇用の努力義務

同一の業務に継続して1年以上派遣可能期間以内の期間派遣労働者を受け入れている → 派遣実施期間経過後に同一の業務に従事させるために労働者を雇入れようとするとき → その派遣労働者を雇入れるように努めなければならない。(一定の要件あり)


物の製造の業務 3年間
物の製造以外の業務 1年以上3年以内の範囲で派遣先が定めた期間(定めがないときは1年間)
コンピューターのシステム設計の業務、事務用機器の操作の業務等の政令で定める26業務 派遣期間に制限はない
事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって、一定の期間内に完了することが予定されている業務
1ヶ月に行われる日数が、その派遣先の通常の労働者の1ヶ月の所定労働日数に比べて相当程度少なく、かつ、10日以下である業務
産前産後休業、育児休業、介護休業をする労働者の代替として行う当該業務
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もし貴社で労使紛争が起こったら・・・
◆判例からみる勝つための要件とは◆ 第10回 「傷病休職者の復職」


多くの会社で「休職」に関する定めをおいています。 菅野和夫著「労働法(第7版補正版)によれば、「休職」を以下のように分類しています。

1. 傷病休職・・・業務外の傷病による長期欠勤が一定期間(3ヶ月〜6ヶ月が多い)に及んだときに行われるもので、休職期間の長さは通常勤続年数や傷病の性質に応じて異なって定められる。この期間中に傷病から回復し就労可能となれば休職は終了し復職となるが、回復せずに期間満了となれば、自然退職(自動退職)または解雇となる。この制度は解雇猶予を目的としている。
2. 事故欠勤休職・・・傷病以外の自己都合による欠勤(事故欠勤)が一定期間(1ヶ月が多い)に及んだときに行われるもので、休職期間の長さは「1ヶ月」や「2ヶ月」として明定される。この休職期間中に出勤可能となれば復職となるが、出勤可能とならなければ自然退職(自動退職)または解雇となる。この制度も解雇猶予を目的としている。
3. 起訴休職・・・刑事事件に関し起訴された者を一定期間または判決確定までの間休職とするものであるが、この制度の趣旨はあいまいであり企業の社会的信用の維持や、職場秩序の維持、懲戒または解雇などの処分の留保または猶予、などの趣旨が混ざり合っている。
4. その他従業員の他社への出向期間中になされる出向休職や、公職就任、海外留学などの期間中になされる自己都合休職、組合専従期間中の休職などがある。           (弘文堂:菅野和夫著「労働法(第7版補正版)」399〜400ページより)


この内、多くの会社で問題となるのが「1.傷病休職」である。
傷病休職の場合、休職期間中に傷病が治癒すれば復職となるが、治癒しなかった場合には自然退職または解雇となるため、休職中の従業員の中には、傷病が治癒していないにもかかわらず治癒したと偽って復職しようとする者も出てくるなど問題が生じやすい。
この場合、「治癒」しているか、いないかがポイントになる。

「治癒」とは、原則として「従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復したときをいう」(平仙レース事件:浦和地判昭40.12.16)ので、ほぼ平癒したが従前の職務を遂行する程度には回復していない場合には、復職は権利としては認められない。(アロマカラー事件:東京地決昭54.3.26)

しかし、当初は軽易な業務に就かせればほどなく通常業務へ復帰できるという回復振りである場合には、使用者がそのような配慮を行うことを義務付けられる場合もある(エールフランス事件:東京地判昭59.1.27その他)。なお、軽易業務への復帰も困難として休職期間満了による解雇が正当とされたケースもある(独立行政法人N事件:東京地判平16.3.26)。


また、使用者による「治癒」の認定に対し、当該労働者は診断書の提出などによって協力する義務があるとされ、診断書の提出等を行わなかった労働者の解雇をやむを得ないとした事例もある(大建工業事件:大阪地決平15.4.16)。

職種を特定した雇用でない限りは、原職復帰が困難であっても現実に配置可能な業務があればその業務に復帰させるような配慮が必要であると思われる。
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非違行為に対する懲戒処分の実態は?
 〜懲戒制度に関する実態調査結果が発表される


財団法人労務行政研究所は、30のモデルケースを設定し、もしも自社でモデルケースのような事例が発生した場合にはどの程度の処分を課すことになるのか、につき過去のケース等により判断のうえ回答してもらうという方法で実態調査を行った。
(主に上場企業121社の回答を集計)

設定したモデルケースのうち、横領、情報漏洩、酒酔い運転等、社会問題化している問題行動については、懲戒処分の中で最も重い懲戒解雇を適用している割合が高いという調査結果がでたという。

【主なモデルケースと回答】
@ 売上金100万円を使い込んだ
  ● 懲戒解雇 70.6%  諭旨解雇 18.3%
A 取引先から個人的に謝金等を受領していた
  ● 懲戒解雇 34.9%  降格 17.4%  減給 16.5%  譴責 16.5%
B 事故は起こさなかったが、酒酔い運転のため検挙された
  ● 懲戒解雇 21.1%  出勤停止 25.7%  減給 15.6%
C 終業時刻後に酒酔い運転で物損事故を起こし、逮捕された
  ● 懲戒解雇 40.4%  出勤停止 19.3%  諭旨解雇 16.5%
D 営業外勤者が業務中に自動車で通行人をはねて死亡させ、本人の過失が100%であった
  ● 懲戒解雇 29.4%  諭旨解雇 25.7%  出勤停止 18.3%
E 兼業禁止規定があるにもかかわらず、休日にアルバイトをしていた
  ● 譴責 29.4%  懲戒解雇 19.3%  出勤停止 16.5%
F 病気と偽って私傷病休暇・休職制度を悪用し、海外旅行に行っていた
  ● 出勤停止 26.6%  譴責 25.7%  減給 22.9%
G 出張に掛かった経費を不正に上積みして請求していたことが判明した
  ● 減給 27.5%  譴責 20.2%  懲戒解雇 20.2%
H 社外持ち出し禁止のデータを独断で自宅に持ち帰っていた
  ● 譴責 50.5%  減給 23.9%
I 社外秘の重要機密事項を漏洩させた
  ● 懲戒解雇 54.1  減給 13.8%  降格 12.8%


詳細は以下をご参照ください。
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/2726
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「松山市人材育成事業補助金」のご案内
 〜松山市に事業所がある中小企業者向け


 松山市に事業所がある中小企業者(または中小企業団体)を対象として、公的団体(中小企業大学校、商工会議所、財団法人、社団法人等)が主催する研修・試験・検定等を従業員のスキルアップを目的として受講させた事業所に対して、補助金を交付する制度があります。

受講のためにかかった経費(受講料、試験料、旅費等)の2分の1以内で、1年度に合計して20万円まで補助金を受けることが可能です。

ただし、2年に1回しか利用できないため、平成19年度に補助金の交付を受けると、平成20年度の補助金申請はできず、平成21年度に申請することになります。
業務に必要なものであれば、免許(ただし運転免許は除く)や資格の取得についても対象となります。(ただし、試験・検定の場合、不合格となった場合は補助金の交付は受けられません。)

 国の制度(「キャリア形成助成金」)に比べると、支給額は小さいものの、申請手続きが大幅に簡素化されているため活用しやすい制度になっています。 是非、当制度の活用を検討されてはいかがでしょうか?

【補助金交付までの流れ】
@ 研修・試験の実施1ヶ月前までに申請書を提出する
 (ア)中小企業者 → 松山商工会議所 北条商工会 中島商工会
 (イ)中小企業団体 → 松山市役所地域経済課
A 実施後、実施報告書等必要書類を提出する
B 審査の上、補助金交付


詳しくは以下のURLをご参照ください
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編集後記


安倍氏の突然の退陣表明、自民党総裁選、福田氏の総理・総裁就任、所信表明演説、とあわただしい日が続きます。
それにあわせるように、やっと、秋の訪れを感じることができるようになってきました。
郵貯銀行もスタートし、世の中、変わっているのだなぁ、とつくづく思う今日この頃です。

さて、今月は、10月施行の法律があったためこれらを特集しました。
6月に国会で決まってから、4ヶ月足らずでの施行であり、周知活動も十分ではなかったのではないかと思います。
私のように、労働社会保険関係の法令の動向に注意している人間でも、見落とすことがあるほど、最近の動きは急です。
これら以外に、税金をはじめ、国や地方自治体の産業振興策にも目を配らなければならない経営者の方々は、本当に大変でしょう。
その意味でも、人事・労務関連分野の情報だけでも、より早く、より正確にお伝えできるようにすることが私の使命だろうと思う今日この頃です。

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