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平成19年8月号 インデックス

愛媛県版子育てサポート企業の認証制度創設
〜「えひめ子育て応援企業」認証制度のご案内
労務管理の理論
 (2)モチベーションの理論
よくわかる労働法講座
  第8回 「労働者派遣法の基礎」(1)
もし貴社で労使紛争が起こったら・・・
◆判例からみる勝つための要件とは◆ 第8回 「派遣元の使用者責任」
従業員のメンタルヘルスに配慮していますか?
  「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」のご案内(2)〜家族用
企業内職業訓練はなぜ有効か
〜経済学からみた企業内訓練の優位性
編集後記

愛媛県版子育てサポート企業の認証制度創設
〜「えひめ子育て応援企業」認証制度のご案内


前号では、「次世代育成支援対策推進法」に基づく子育てサポート企業の認定制度をご案内いたしました。
その中で、「平成19年6月現在、愛媛県下の企業で認定を受けている企業が一つもないこと、そのため、愛媛県では県独自の認定制度(実際にできた制度は認証制度)を設けることを検討していること」をお知らせしていました。
このたび、上記につき正式に制度が創設され、本年8月1日から「えひめ子育て応援企業」認証制度としてスタートしています。
今回は、この「えひめ子育て応援企業」認証制度についてご案内いたします。

【制度の目的】
仕事と育児が両立しやすい職場環境づくりに取り組む企業を県が認証し、社会的に評価される仕組みをつくることにより、働き方の見直しに向けた企業の自主的な取組の促進を図り、もって次代の社会を担う子どもの健全な育成及び労働者の福祉の向上に資すること。(えひめ子育て応援企業認証制度要綱第1条)

【対象企業】
愛媛県内に本社又は主たる事業所を置き、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる中小企業の事業主(会社法人、社団法人、財団法人、協同組合等で、常時雇用する労働者数が300人以下の事業主)が対象。

次世代育成支援対策推進法に基づく認定を目指す、目指さないにかかわらず、同法に基づく、一般事業主行動計画は策定しなければなりません。

【募集期間】
平成19年8月1日から随時受付(毎月月末までに受け付けた企業について審査の上、原則として翌月末日までに認証の可否を決定)

【申込方法】
「えひめ子育て応援企業」 認証申請書に記入の上、必要書類を添付して、企業所在地を管轄する地方局の商工労政課へ、郵送又は持参により提出。

申請書は、各地方局商工労政課に備え置いてあるほか、愛媛県のホームページからダウンロードできる。

http://www.pref.ehime.jp/h30500/1185623_2230.html

≪添付必要書類≫
・一般事業主行動計画(本文)の写し。(次世代法に基づき、企業として従業員の子育てを支援するため、目標と対策等を定めた計画)
・愛媛労働局に提出した一般事業主行動計画策定届の写し
・就業規則又は労使協定の写し(育児休業、子の看護休暇、育児のための短時間勤務等の措置を規定した部分)
・企業の概要がわかる資料(パンフレット等でも可)

認証手続の流れ
認証手続の流れ

【認証されると】
県のホームページ等で、企業名や一般事業主行動計画による取組の概要等を掲載し、広く一般に紹介される。
企業のイメージアップや人材の確保面で効果が期待できる。
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労務管理の理論 (2)モチベーションの理論


社員のモチベーション=労働意欲である。
つまり、モチベーションを高めることは生産性の向上につながる。
それでは、どうすれば社員のモチベーションを引き出すことができるのか?
今回は、モチベーションに関する代表的な理論である「マズローの欲求5段階説」をご紹介します。

1.マズローの欲求5段階説
人間は欠乏状態にある欲求を充足しようとして行動する。
それにより、その欲求が充たされてしまうと、この充たされた欲求(低次の欲求)によっては、次の新たな行動を引き出すことはできない。より高次元の欲求でないと次の行動を引き出すことはできない、というものである。
マズローの欲求5段階説

  1. 生理的欲求・・・食欲など
    • 生活するためにどんな仕事でもいいから就きたい
      →社員として採用している以上、この段階にあるということは考えにくいと思われます。
       
  2. 安全の欲求・・・不安や危険などを回避したいという欲求
    • 安定した職業で、それなりの賃金が得られる職につきたい
      →期間雇用であった者を正社員に登用する、安定した賃金を支払う等、生活の安定につながる処遇をされるとこの欲求は充たされます。
       
  3. 社会的欲求・・・組織等の集団に所属して他人との関係を築きたいという欲求
    • 上司や同僚との一体感、連帯感を得たい
      →会社、組織に所属していることを感じられるようなこと、例えば、レクレーション、社員旅行等を企画するのも有効な手段ではないでしょうか。また、職場懇談会等、会社と社員が意見交換する制度も有効と思われます。
       
  4. 自尊の欲求・・・他人から認められたい、尊敬されたいという欲求
    • 上司や同僚から仕事を評価されたい、優秀だと思われたい
      →昇進や昇格、ポストの付与、仕事ぶりを認める、ほめる、「おまえしかこの仕事は任せられない」の一言など。
      これらにより自分が認められている、必要とされている、と感じられることが重要です。
       
  5. 自己実現の欲求・・・自分の潜在能力、可能性を活かしたいという欲求
    • 自分が中心になって新規プロジェクトを成功させたい等
      →この段階の人はほとんどいないとされていますが、社員の能力等を評価しているなら、その社員に任せてみるのもいいのではないでしょうか

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よくわかる労働法講座
  第8回 「労働者派遣法の基礎」(1)


人材派遣会社大手のフルキャストが、労働者派遣法で派遣を禁じられている業種に対し労働者を派遣していたとして厚生労働省東京労働局から事業停止処分を受けた。
また、同じく大手のグッドウィルが「データ装備費」の名目で、派遣労働者の賃金から一律200円を控除していたことが問題になっている。
正社員の採用を見合わせる一方、派遣労働者を利用することにより人件費を抑制してきた企業が多く、これらが派遣業界の成長の大きな要因になっていることは間違いない。しかし、派遣業界の成長に伴い派遣業界をめぐる問題もクローズアップされてきている。
そこで、そもそも法で認められている「派遣」とはどのような形態をいうのか、等労働者派遣法及び派遣の基本的な事項について再確認したいと思います。

労働者派遣法では、
「自己の雇用する労働者を、その雇用関係の下に、他人の指揮命令を受けて、他人のために労働に従事させること」を労働者派遣という。
つまり、労働者派遣の特徴は
(1)労働者は派遣元(派遣会社)の労働者である。
(2)しかし、勤務先は派遣先の企業であり、派遣先の指揮命令を受けて仕事をする。
ということ。

派遣の類型には、2種類ある。
  1. 特定労働者派遣事業
    • 派遣される労働者が常用労働者のみである派遣事業。
      厚生労働大臣への届出により派遣事業をできる。
       
  2. 一般労働者派遣事業
    • 特定労働者派遣事業以外の派遣事業。
      厚生労働大臣の許可を受けなければ派遣事業をできない。
一般労働者派遣事業は、派遣労働を希望する者を登録しておき、派遣先との派遣契約が成立した後に、登録している者の中から実際に派遣する者を選定し、この者が派遣に応じることを承諾して初めて労働者として雇入れる。
つまり、登録している間は、労働者ではなく、したがって、賃金の支払もない。
派遣される段になって初めて労働者となるのである。

これに対して特定労働者派遣事業は、常用労働者のみを派遣する事業であり、派遣の有無に関係なく賃金が支払われる。
つまり、労働者の身分的な安定度は一般労働者派遣事業と比べて格段に勝っている。
そのため、厚生労働大臣の許可が必要とされる一般労働者派遣事業に対し、特定労働者派遣事業は届出で足りることになっている。

通常、派遣をめぐるトラブルは身分的に不安定な一般労働者派遣事業で発生している。
冒頭のデータ装備費の問題などは典型例である。

次回は、派遣元と派遣先がそれぞれに講ずべき措置等についてご案内します。


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もし貴社で労使紛争が起こったら・・・
◆判例からみる勝つための要件とは◆ 第8回 「派遣元の使用者責任」


派遣会社から派遣労働者を受け入れている企業も多いと思います。
しかし、もし仮に派遣労働者の不法行為により貴社が損害を被ったとしたら、この損害を派遣会社に請求することは可能なのでしょうか?
今回は派遣元の使用者責任について争われた事案をご紹介いたします。

両事案とも、派遣元(派遣会社)は、派遣労働者への指揮命令は派遣先が行うので、派遣元(派遣会社)には監督責任はない、と主張しました。
つまり、派遣元は使用者責任を負わず派遣先にのみ責任がある、と主張しました。
しかし、結論から言うと、以下の裁判例は両方とも使用者責任を認め、派遣元の責任を認めています。
ただ、派遣先には全く責任がない(派遣元が100%悪い)とするのか、派遣先にも責任があり、とするのかという点で若干で異なっています。

パソナ事件(東京地判平成8.6.24)
派遣労働者が派遣先企業で横領行為を行った事案
→過失相殺なし→派遣元にのみ使用者責任を認める

テンブロス事件(東京地判平成15.10.22)
派遣先での研修後、指定エリア内で訪問営業を行っていた派遣労働者が、申込書を偽造(私文書偽造)したため、派遣先は提携先からの契約を打ち切られたという事案
→過失相殺5割→派遣元の責任5割・派遣先の責任5割

これからいえることは、基本的に派遣労働者が不法行為を起こし、それによって損害を被ったときは、派遣元(派遣会社)に対し損害賠償を請求できるが、場合によっては自社も責任を問われることがあり、全額の損害賠償を認められないことがある、ということです。

では、自社の責任を問われない(100%派遣会社に損害賠償を請求できる)ためにはどうすればよいか、が重要になります。
この点、先のテンブロス事件では、「派遣元に派遣労働者らの選任、監督につき過失があることが明らかであるが、派遣期間中は派遣先の指揮監督下にあるため、その動向の確認等は容易ではないということができる。そして、派遣先にも相当な不注意があったというべきである。これらの諸点に、派遣労働者らの犯した行為は私文書偽造という、単なる服務規律違反に留まらない犯罪行為であったことなどをも勘案すると、派遣先の損害については5割の過失相殺をするのが相当である。」とされ、派遣先がどのような指揮監督を行っていれば過失相殺されなかったのか、については特に言及していません。
これから言えることは、派遣労働者を自社の従業員と区別せずに、しっかり指揮監督する、ということに尽きるということになります。

ちなみに、この判決では、犯罪行為を行っていることさえ放置していたため過失相殺5割、となったのであり、通常は過失相殺の程度はもっと低くなる=派遣元の責任割合が高い、と考えられます。

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従業員のメンタルヘルスに配慮していますか?
  「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」のご案内(2)〜家族用


前回は、労働者本人による自己診断のためのチェックリストをご案内しましたが、今月は家族によるチェックリストをご紹介します。
本人用、家族用とも、過重労働による健康障害を防止するため、働く人それぞれの疲労蓄積度を判定できるチェックリストですが、本人は異常を認めたがらない傾向があることから、まわりにいる方のチェックが有効なことも多いのです。
いざ、ことが起こった場合に、家族用のチェックリストを活用していた場合とそうでない場合では、家族の会社に対する印象が異なります。(家族は会社は何の対策もとっていなかったと主張すると思われます。)
会社のリスク対策の一環として、労働者本人だけでなく、家族用のチェックリストも活用してみてはいかがでしょうか!

(当チェックリストは、厚生労働省より平成16年6月に発表されたものであり、以下のURLよりPDF形式で入手可能である。 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0630-1.html )

家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト


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企業内職業訓練はなぜ有効か
〜経済学からみた企業内訓練の優位性


企業は費用をかけて社員を教育し、教育を受けた社員は同じ企業に長く定着するという現実があります。これは、日本だけでなく多くの国でも同様。
この点に関する経済学の考え方をご紹介いたします。

まず、経済学では社員の能力を、企業特殊能力(その企業でしか使えない能力)と一般能力(他社でも広く使える能力)の2つからなるとする。
そして、社員が今所属している企業から得ている賃金は、その企業における企業特殊能力と一般能力を合わせた能力全体に対して支払われていると考える。
転職した場合には、この企業特殊能力は転職先の企業にとっては価値のない、もしくは、ほとんど価値のない能力であり、転職先では一般能力に対してのみ、もしくは、ほとんど一般能力に対して賃金が支払われると説明している。
この結果、賃金が低下することになり、今の企業で働き続けることが社員にとって有利な選択となるのである。
勤続年数が長く、同じ企業で企業特殊能力を多く身に着けた社員ほど、他社に転職すると賃金が大きく下がってしまう。
よって、企業内職業訓練により企業特殊能力をより多く身につけさせるほど、社員の定着が図れることになり、教育訓練費のロスも最小限に押さえられることになる。

以上が経済学からみた企業内訓練がなぜ有効か、に対する回答である。

しかし、近年、一つの会社で職業生活をまっとうすることが難しい時代となっており、
社外を見据えた「エンプロイアビリティ(雇用されうる能力)」の獲得が労働者には要求される時代になっている。
従来の終身雇用制では、企業が能力開発に主体性を発揮していたが、これからは労働者自身が主体的に能力を開発していく時代だといわれている。
労働者に「エンプロイアビリティ」が求められるのと同様に、企業には「エンプロイメンタビリティ(社員をひきつける能力)」が必要になっている。
社員一人ひとりのエンプロイアビリティを高めることのできる企業だけが、エンプロイメンタビリティを獲得できるのである。
その結果、優秀な人材の確保、定着を図ることができる。

人は城、人は石垣、人は堀情けは味方、仇は敵なり(甲陽軍艦)

参考文献:ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト 人事・人材開発2級/3級:中央職業能力開発協会編
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編集後記


先日、関係先の企業が倒産した。
新興ながら、公共工事主体の業種でがんばってきていたのだが、大きな波には抗しがたかった、ということだろう。


平成の大合併により市町村の合併が進んだ結果、統合された側の衰退が激しいようだ。
役場がなくなり、地域の雇用が減少した。
役場を主たる顧客としていた業者が倒産した。
という現象がいたるところで見られる。
その結果、ますます衰退が進んでいる。
こういうところは、いわゆる「負け組み」になっている。


先日、首都圏・関西圏・中部圏の3大都市圏の人口比率が50%を超えたとの新聞報道があった。
日本全体でみても、都市部と地方では都市部に富もヒトも集中しているようだ。
人口が集中するところは、モノを売るにも販売先が増えることになりチャンスが広がる。
逆に、人口が減少するところは、販売先が減少することになる。


こういうことを書くとマイナスイメージばかりと取られそうだが、こういう中でもがんばっている企業は多い。
ちなみに、当事務所の今年上期の仮決算を行ってみた。
逆風を耐えて増収していた。
やっている本人は綱渡りのつもりだったのだが・・・
より一層モチベーションがアップした。

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